(気象庁ホームページより)
日本には111の活火山があり、そのうち、気象庁により50火山が「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」とされています。ここ最近の約30年間では、伊豆大島、雲仙岳、有珠山、三宅島、霧島山(新燃岳)で規模の大きな噴火が発生しています。また、平成26年9月27日には御嶽山が噴火し、噴石等により死者58人、行方不明者5人、負傷者69人の甚大な被害が発生したほか、平成27年5月29日には鹿児島県の口永良部島で噴火が発生し、島内住民全員が島外へ避難する事態となりました。
火山は、風光明媚な景観を呈し、周辺地域の生活を豊かにする側面を持つ一方で、一たび噴火すると甚大な被害をもたらすことがあります。火山と共生していくためには、火山に対する正し知識を持ったうえで、火山活動の状況に応じて発表される噴火警報等の火山噴火に関する情報を活用し、的確な防災活動をとることが重要です。
○噴火警報
生命に危険を及ぼす火山現象の発生や危険が及び範囲の拡大が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」(生命に危険を及ぼす範囲)を、「火口周辺」や「居住地域」を明示して発表されます。
また、噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて5段階のレベル(「避難」、「避難準備」、「入山規制」、「火口周辺規制」、「活火山であることに留意」)に区分して発表され、それぞれについて「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災対応」が定められています。
平成27年5月の口永良部島の噴火の状況
(気象庁ホームページより) ○噴火速報
登山者や周辺住民等に、火山が噴火したことを端的にいち早く伝えることにより、身を守る行動を取ってもらうための情報です。
平成27年8月4日から運用が開始され、同年9月14日の阿蘇山の噴火の際、初めて発表されました。
気象庁ホームページのほか、テレビ、ラジオ、各種防災アプリなどで知ることができます。なお、平成28年3月29日からは全国瞬時警報システム(Jアラート)でも配信しています。
火山は、事前に噴火を予測できる場合がある一方で、一たび噴火すると、噴石・火砕流・泥流等が短時間で火口周辺や居住地域まで襲来する可能性があります。このため、事前の備え、迅速な避難が人的被害の大きさを左右します。
火山災害から身を守るためには、まず、危険な区域を確認しておくことです。活動火山対策特別措置法では、市町村長は、火山ハザードマップに防災上必要な情報を記載した火山防災マップを住民等に配布するなど、警戒避難を確保するうえで必要な事項を周知することとされていますので、火山周辺地域に居住している場合や登山をする場合は、火山防災マップや最新の火山情報を事前に確認し、いざというときに備えましょう。
そして、火山活動に大きな変化があった場合には「噴火警報」や「噴火速報」が発表されますので、気象庁や市町村からの情報など、テレビ、ラジオ、防災行政無線、広報車、緊急速報メールなどの情報に注意し、市町村から避難勧告等が発令された場合は、速やかに従い、行動しましょう。
また、地鳴りや地震を感じたときなど、危険な兆候が見られた場合には、市町村からの避難勧告等の発令を待たず、直ちに安全行動をとることも必要です。火山防災マップ等に記載されている避難計画に沿って、速やかに避難しましょう。特に、噴石から身を守る必要がある状況では、速やかに避難するのと同時に、岩かげに身を隠す、近くのシェルターや山小屋等に避難する等の行動が有効です。
噴火警戒レベル(気象庁ホームページより)
(総務省消防庁「消防の動き 2017年10月号」より)