一般財団法人 日本防火・防災協会

お祝いのことば

新井　昌子　様
（元 東京消防庁）

　貴協会の防火・防災管理講習の修了者が100万人達成という記念すべき年に、講師及び会場管理者として、ともにお祝いできることを大変誇らしく嬉しく思います。心よりお慶び申し上げます。

　また、総務大臣の登録講習機関として、約20年の長きにわたり、防火・防災管理者の育成等にご尽力された貴協会及び関係者の皆様のご労苦に対し、深い敬意と感謝を申し上げます。多くの講習修了者が、防火・防災リーダーとして、事業所等の安全・安心に尽力されており感慨に堪えません。

　私は、東京消防庁を定年退職後、講師及び会場管理者として講習業務に従事させていただき、今年で6年目を迎えました。登録講師の皆様は、予防実務経験の豊富な方ばかりで、聴講や講師会議等で実践的な指導方法等多くの事を学ばせていただきました。

　5年前からは、防火・防災管理講習教材作成委員会の委員として、講習テキストの改訂作業にも参画させていただいております。法令適用にあたっては、消防本部独自の解釈、運用などもあることから、消防庁及び消防機関や講師の皆様からご意見をいただきながら、全国版テキストとして統一化を図っています。

　講習は、幅広い年代や様々な職種の方が受講しており、消防法令や初めて聞く消防用語に戸惑いを感じる場面もありますが、補助教材等の活用や、時には災害事例や体験談等を交えながら、受講者が理解しやすいようかみ砕いた講義を心掛けています。単に内容を一方的に「伝える」のではなく、内容が「伝わる」講習が大切だと考えます。

　昨今は、様々な社会情勢を反映して、講習のオンライン化も推進されておりますが、対面式講習においては、受講者の理解度を確認しながら、「受講者の顔が見える講習」、「受講者に寄り添った講習」を目指して、今後とも努力してまいります。

　過去には、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う講習中止により、多くの受講希望者が受講できない残念な時期もありました。講習再開後は、会場管理者として、会場内の換気、座席の調整及び受講者の体調確認等、様々な感染防止対策を徹底しながら、受講者が安心して受講できるような環境づくりを推進しております。

　まだまだ未熟な講師ではありますが、全国の防火・防災管理者が適正かつ円滑な「自主防火・防災管理業務」が行えるよう、貴協会や講師の皆様のご指導を賜りながら、自己研鑽とスキルアップに努め、防火・防災管理者の育成を通して、街や事業所の安全・安心に貢献してまいります。

　結びに、貴協会の益々のご発展と関係者の皆様のご多幸ご健勝を祈念し、お祝いのことばといたします。